SOMPOアワード プロジェクトストーリー

障がいの有無に関わらず、誰もが能力を存分に発揮して、誰もがもっとワクワクする社会を -視覚障がい者向け遠隔サポートサービス「Eyeco Support」を開発-

株式会社プライムアシスタンス ビジネス開発部企画室


チームアイコサポートのメンバー

視覚障がいは情報障がいとも言われますが、必要とする視覚情報へタイムリーにアクセスできることで選択肢や行動範囲は大きく広がります。

アイコサポートは専用アプリを通じて得た道路や店舗の入口、商品棚といった視覚情報をオペレーターがアプリ利用者(視覚障がい者)に声で伝えることで、視覚障がい者の日常生活を支援するサービスです。

専門の研修を積んだオペレーターによる「人」のノウハウと、「デジタル技術」との融合によって、視覚障がい者の情報への壁をなくすことにより、障がいの有無に関わらず、誰もが能力を存分に発揮して、やりたいことをやりたいときにできる、チャレンジしたいと思える「誰もがもっとワクワクする社会」を目指しています。



「そういえば、視力を失ってからもう何年も、思い付きでふらっと外出したことがない。」

「世の中の格差を仲間と共に持続可能な形で解消する」そんなMYパーパスを持った開発リーダーの藤田さんを起点に、SOMPOグループ内外の力を結集してできたサービスがこの「アイコサポート」です。

藤田さんは、視覚障がい者のガイドヘルパー(同行援護)をしていたあるメンバーから、「視覚障がい者はいつも同じところで同じものを買う、決まった曜日に決まった行動をする、ルーティーンの中で生活をしている。」という話を聞きました。

さらに、視覚障がいの方へのインタビューを進める中で、障がいのある当事者であり、現在はアイコサポートの開発メンバーでもある藤井さんが発した一言、「そういえば、視力を失ってからもう何年も、思い付きでふらっと外出したことがない。」この一言が藤田さんの想いに火をつけました。


アイコサポート開発メンバーの一人である藤井さん

またインタビューを受けた藤井さんは、「今日は天気がいいから散歩して、その後はカフェへ行こう、コンビニで今日はいつもと違うものを買ってみよう、というような思いつきの行動は私にはできない。それは支援者がいる時にすることだ。」と自然と後回しにしていたこと、自分の気持ちをそのまま素直に行動に移すことを諦めていた自分に気が付きました。

アイコサポートのサービス内容を聞き、「デジタルやAIによって人の目を借りたい瞬間が私自身にもある。アイコサポートならそれが叶う。想像しただけで可能性が広がる。同じような視覚障がいの方もサポートでき、人生が豊かになる!」と思い、プライムアシスタンスに入社することを決意。アイコサポートの開発メンバーに加わりました。

「思い立った時、その日・その時の気分で行動できない、そんな制約の中で暮らしている人たちがもっと心の赴くままに楽しめるように。」そんなメンバー皆の想いから開発が進んでいきました。


こだわりは“視覚障がいを持つ当事者の方にとって価値のあるサービス”にすること

開発において一番こだわったのは、「当事者の方にとって価値のあるサービス」にすること。

例えば、普段はロードサービスの手配などを担うプライムアシスタンスのオペレ―ターの大半は、視覚障がい者に触れたことがありません。そこで、障がいを持つ開発メンバーである藤井さん自身が実際に町を歩き、それを声で誘導する訓練を重ね、正確で客観的な情報を伝えるオペレーターを育成。

視覚に障がいがある方に、オペレーターは何を伝えるべきなのか。

例えば、目の前に階段がある時に、「階段があります」と伝えるだけでは不十分。正確で客観的な情報提供には、上りの階段なのか、下りの階段なのかを含めて伝えることが必要です。また、アイコサポートは、必要な視覚情報を提供するサービスです。右の道へ行くのか、左の道へ行くのか、それを決めるのは当事者の役割。障がい者の主体性を尊重する重要性についても皆で学びました。

さらに、「最低300回は現場に行く」をモットーにユーザー目線にとことんこだわりぬきました。

またSOMPOグループ内外の力も最大限に活用。シリコンバレーのSOMPO Digital Labからアイデアをもらい、SOMPOホールディングスのデジタル・データ戦略部と共にニーズ調査やプロトタイプ開発を進めました。実装フェーズでは、プライムアシスタンスの事業部とコールセンターが一丸となり、さらには、視覚障がい者団体や個人からの協力を得ながらゼロからのサービス構築を実現していきました。


サービスを利用する視覚障がい者と
声で視覚情報を届けるオペレーター


SOMPOアワードで、"最もみんなの心を動かした、みんなが選ぶNo.1"である"Gutto賞"とチャレンジカテゴリー最優秀賞を受賞!!

アイコサポートの個人加入者はまだ数十名、これから法人や自治体への販売を開始していくフェーズです。これまで社会から取り残されがちであった視覚に障がいのある方が、自分らしい人生を豊かに楽しむための一助となるよう、メンバーの想いを一つに、今現在も開発、事業拡大を進めています。まさに開発メンバーのMYパーパスとSOMPOのパーパスが重なりあった取組みでもあります。

SOMPOアワードでは、「視覚に障がいのある方の生活をより豊かにしたい」という想いの重なりあいによって実現した、社会的意義の大きいチャレンジとして、チャレンジカテゴリー最優秀賞 Hakken&Shinka賞に、そして、社員投票を経て、“最もみんなの心を動かした、みんなが選ぶNo.1”である“Gutto賞”に選ばれました。

また、このサービスは視覚障がいによって目が見えない方だけではなく、目が見えにくい方にも役立つサービスです。高齢化の進む社会において、多くの方々の人生を豊かにすることもできるのではないでしょうか。SOMPOアワードは、大いなる可能性を持った「アイコサポート」のチャレンジをこれからも応援します。


SOMPOアワード表彰式で笑顔を見せる
チームアイコサポートのメンバー


「挑戦とは、あきらめずにひたすら続けること。SOMPOグループには誰もが挑戦できる環境があることを皆に伝えたい。」

開発のリーダーを務めている藤田さんは、今回のアワードやこれまでの取組みを振り返ってこう話しています。

「挑戦とは、諦めずにひたすら続けることではないでしょうか。SOMPOグループに入った当初の私の仕事は、事務作業中心のパートタイマーから始まりました。その後、転職等をする中で大きな挫折も経験しましたが、ご縁や周囲からの応援に恵まれ、諦めずに挑戦し続けてきた結果、現在では自分の想いの実現に繋がる取組みに携わることができています。必ずチャンスはあるので、諦めずに挑戦してほしいということを皆さんにも伝えたいです。」


SOMPOアワード表彰式で
想いを語る藤田さん


<関連リンク>
アイコサポート事業紹介ページ:https://eyecosupport.prime-as.co.jp/


SOMPOアワードでは「 すべての挑戦にエールを! 」をテーマに
これからもグループ内のすべての挑戦にエールを送り続けます